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こころの病気の評価と検査・治療

評価と検査について

評価・検査は次の3つの項目に大きく分けられますが、それぞれを必要に応じて行っています。

<聞き取りによる評価>
  • ご本人が困っていることを中心にお話しをうかがいます。家族や家庭のこと、学校や仕事場での様子、これまでの生活、もともとの性格、体の健康についても聞かせていただきます。
  • ご自身に記入してもらうタイプの質問表や、聞き取り評価のためのマニュアルのようなものを利用します。
  • 必要に応じて、御家族や関係者からお話をうかがいます。
<心理検査・認知機能検査>
  • 頭の働きを調べるために、注意力・記憶力・知識・判断力などを調べる検査を実施します。
  • 性格やものの考え方、感じ方を調べる検査を実施します。
<身体の検査>
  • 身体の病気が隠れていないかチェックするために、血液検査・尿検査・身体の診察を必要に応じて実施します。
  • 脳の神経に明らかな問題がないか調べるためにMRIによる画像検査や脳波検査を行う場合があります。

治療について

こころの病気には、病気の種類や時期に応じた治療法があります。専門家からの適切な診断を受けた上で、その方に合った治療法を選択して行うことが重要です。こころの病気の治療では、ひとりひとりに合わせた、オーダーメイド型の治療が特に大事です。

<薬物療法>
こころの病気の中には、薬が非常に効果的なものがあります。統合失調症などの精神症エピソードには抗精神病薬がよく効きます。また、抗精神病薬は、精神症エピソードから回復した後の再発の予防薬としても効果があることがわかっています。抑うつ状態の時には、脳内のセロトニンなどの調整を行う抗うつ薬が効果的なこともあります。脳内の神経伝達物質のバランスが崩れている時には、これを整えるためにお薬を使うことが非常に重要となるのです。
<精神療法>
こころの病気の治療では、治療者と患者さんが話し合うことが重要です。自分の困っている症状や問題を治療者に話すことで、適切な診断が可能となり、その方にあった治療法が選択できます。すぐに解決が難しい問題でも、悩みを話していくうちに気持ちが落ち着いてきて、解決法がうまく見つかる場合があります。治療者と一緒に問題を整理したり、考え方を工夫したり、対処法を身につけたりすることで、今までできなかったことがうまくできるようになっていくのです。
<心理教育>
こころの病気についての知識を深めることはとても大切です。自分の病気についてよく知ることで、病気への適切な対処ができるようになるのです。病気についての誤った思い込みや誤解は、治療の妨げになることも多いのです。自分の病気への理解を深めていくことが、回復への道しるべとなるでしょう。
<精神科リハビリテーション>

こころの病気の中には、回復が人よりも遅かったり、何らかの症状がしばらく続いてしまったりする場合があります。この場合には、症状が残った状態であっても社会の中でよりよい暮らしができるように、リハビリテーションを行っていく必要があります。人の集まるところで感じるストレスにうまく対処できる力を身につけたり、仕事に生かせる技術を学んだり、人との接し方を練習したりします。

<社会相談>
学校のこと、職業のこと、デイケアや作業所などこれからの社会生活の場について考えたり、通院費の支援などの福祉サービスや生活に役立つ情報を集めたり、生活しやすくなるよう相談を行っていきます。